
コープさっぽろで人気のなるほど商品「道産の牛肉 男爵・玉ねぎ サクサクのコロッケ」をはじめ、北海道産原料を生かした冷凍食品を手がけるサンマルコ食品。2025年9月に津別工場、2026年2月には恵庭工場に太陽光発電設備を導入しました。「地域で創り、地域で使う」地産地消エネルギーの可能性を、同社の藤井幸一会長と、導入を支えたエネコープの五十里浩輔社長が語ります。
対談者
サンマルコ食品株式会社 代表取締役会長 藤井幸一氏
株式会社エネコープ 代表取締役社長 五十里浩輔氏
冷凍食品は「電気を食う」から。
司会 本日は、サンマルコ食品さんの工場に太陽光発電システムが導入されたことを受けて、お二人にお話を伺います。
五十里 このたびはエネコープの太陽光発電を採用していただき、ありがとうございます。
藤井 こちらこそ。正直、もっと早く導入するべきだったと感じています。
司会 どういうことでしょうか?
藤井 以前から役員会で「太陽光を導入してはどうか」という話は出ていました。ただ、設備投資の規模や費用対効果が分からず、踏み切れなかったんです。新聞などでも一般家庭向けの話題は多い一方で、工場に関する情報は少なくて。動き出したきっかけは電気料金の値上げでした。ここ10年余りで値上げが重なり、当社の工場・冷凍庫の電気代は年間でおよそ1億円増えています。
司会 1億円ですか!
藤井 冷凍食品は大型の急速凍結機をはじめ、原料や製品の保管に大量の冷凍設備が必要です。電力消費が非常に大きく、電気代の上昇分をそのまま商品価格に転嫁するのは難しい。だからこそ、電気代を少しでも抑える方法を検討し、エネコープさんに相談しました。コープさっぽろさんには長年、当社のコロッケや冷凍食品をお取り扱いいただいています。今回、エネルギーの面でもパートナーを組めたことを本当にうれしく思います。
五十里 ありがとうございます。エネコープは、生活協同組合コープさっぽろの関連会社として、「エネルギーで北海道の”生きる”を支え、暮らしを豊かにする」をパーパスに、組合員さんへ灯油とLPガスを供給することを主な役割としています。ただ、残念ながら灯油もLPガスも化石燃料です。エネルギーで北海道の”生きる”を支え「続ける」には、持続可能なエネルギーへの転換が不可欠だと考え、再生可能エネルギーの普及に取り組んできました。3年前に法人向け太陽光発電事業を始め、当初は苫小牧市など自治体での導入実績を積んできました。そのノウハウを生かし、1年前からは民間企業への提案も開始しました。北海道の食卓を支えるサンマルコ食品さんに採用いただけたことを、大変光栄に思います。

スピーディーな対応で不安を解消してくれた。
司会 採用の決め手は何だったのでしょうか?
藤井 まずは初期費用がかからない点です。導入にあたって「パネルの設置費用はいくらか、回収は何年でできるのか」といった不安がありました。ところが、今回ご提案いただいたPPA方式なら、設置もメンテナンスも自社負担がなく、契約は20年間という条件はあるものの、当社は長期間活用するつもりでしたから、これは導入しない手はないと思いました。それ以上に感謝しているのは、私たちの不安に寄り添い、非常に速いスピード感をもって的確に提案していただけたことです。
五十里 ありがとうございます。導入のスピードは、協力会社の力添えも大きかったと思います。
藤井 実はこうした話は昔からたくさん来ます。でも、契約後にトラブルで事業が続かない会社もある。そういう点で、コープさっぽろのグループ会社であることは安心材料になりました。レスポンスが早く、こちらが懸念していた点を次々と解消してくれたので、総合的に判断してお願いすることに決めました。
司会 最初に津別工場から先行して導入したんですね。
藤井 津別工場は敷地が約2万坪あり、パネルを置く余地が十分にありました。一つ心配だったのは景観です。国道沿いで目につく場所ではありますが、広さがある分、思ったほど違和感はありませんでした。それで「問題なし」と判断し、恵庭工場への設置も進めることにしました。

数字に表れない効果も。
司会 導入した発電設備の規模を教えてください。
五十里 津別工場は出力497.96kW、年間予測発電量は506,712kWh、予測CO2削減量は20年間で5,171tです。恵庭工場は出力546.32 kW、年間予測発電量は510,608 kW h、予測CO2削減量は20年間で5,211tとなっています。
藤井 工場全体の電力消費の約1割をまかなう規模です。
司会 手応えはいかがでしょうか?
藤井 設置から日が浅く、電気代の具体的な削減効果はこれから精査していきます。ただ、社内の反応は目に見えて変わりました。若手社員やパートナーさんは、日常的にエネルギーのことを意識することはあまりなかったかもしれません。それが工場隣にパネルが並ぶことで話題になり、「会社の環境姿勢が伝わった」「誇りに思う」といった声が上がっています。こうした社員の意識変化は数字では測れない大きな効果ですし、地域やお客さまに波及すれば、サンマルコ食品がきっかけとなって環境意識が広がっていく可能性を感じます。
五十里 影響力は大きいです。地産地消エネルギーの普及に向けた第一歩を一緒に踏み出せたことをありがたく思います。
藤井 大企業の取り組みも重要ですが、私はむしろ中小の工場にこそ太陽光を勧めたい。北海道には中小のものづくり現場が多く、下請け中心のところもあります。自社ブランドを育てていく段階で、こうした再生可能エネルギーの導入は「環境に対する姿勢」を示す有効な手段になり、ブランディングにもつながるはずです。

地産地消の電気を、みんなで。
司会 藤井会長から「中小企業こそ太陽光を」というお話がありました。
五十里 導入後の経済効果は重要な検討課題です。やはり、設置規模が小さいと採算が取りにくいのは事実ですから。例えば、近くの企業が協力して共同で発電し、みんなで電力をシェアする。そうしたスキームは有効だと考えています。
藤井 複数で共同所有するアイデアは、可能性を感じますね。
五十里 北海道は土地が広く、共同での取り組みは現実的です。実際、ある自治体では、小さな公民館や小学校単独だと採算が合わないため、共同設置を検討する動きが出ています。こうしたモデルを、民間に横展開できれば、「この地区はみんなで発電して、みんなで使う」という本来的な地産地消エネルギーの形が実現しますし、地域の活性化にもつながるはずです。私たちもさらに研究を進め、具体的な提案をお届けできればと思っています。
藤井 やるならスピード感を持って進めたいですね。私たちも協力できることがあれば積極的に関わります。
五十里 心強いお言葉です。ぜひ一緒に進めていきましょう。
司会 藤井会長、五十里社長。本日はありがとうございました。

