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ノサップ産商 滝澤孝さん

#005 滝澤 孝さん

昭和28年生まれ。12歳で父を亡くし中学校卒業後すぐ漁師になる。50年近くにも及ぶ漁師生活の間には旧ソ連に拿捕された経験も。
現在は海産物販売「ノサップ産商」、ライダーハウス「インディアン・サマー・カンパニー」、休憩施設「岬の駅」を経営。

トドック電力では組合員さんのご家庭向けのほか、法人向けにも電力を供給しています。
本土最東端の納沙布岬にある「岬の駅」等を営む滝澤さんにトドック電力に切り替えた理由を聞きました。

滝澤さんがトドック電力に切り替えた理由を教えてください。

そもそもは電力の全面自由化だよね。それまで一社独占状態だったところに民間企業が参入できるようになった。「競う」というのは良いことです。みんなが努力して市場が活性化するわけだからね。コープさっぽろが時流をとらえて電力事業に参入したのは経営判断としてすごいと思う。経営者はチャレンジする気持ちが大切だから。ただ、乗り出す以上は、ユーザーにとってメリットのあるプランを打ち出さなくちゃならない。トドック電力の場合は灯油とセットで、でんき料金が安くなるのが強みだよね。うちはまず昨年の秋に本社(ノサップ産商)とライダーハウス(インディアンサマーカンパニー)のでんきを切り替えました。実際、1年間使ってみて割安感が感じられたので今年9月に納沙布岬の「岬の駅」もトドック電力に切り替えた、というわけです。

昨年(2018年)のブラックアウトを経験して滝澤さんご自身もエネルギーに対する考えに変化があったと聞いています。

そうだ。あの停電でうちもけっこうダメージを受けたんだ。カニの水槽や冷凍庫のでんきが停まり、100万円を超える被害が出た。これは痛かったね。災害による停電は仕方がないとしても、こうした不測の事態に備えて何か手を打つことができないだろうかといろいろ考えています。実は、うちで風車を建てられないかと調べているところ。マイ風車です。それがあれば停電になっても風が吹く限り自家発電できるからね。やっぱりさ、うちもライダーハウスでお客さまを預かっている以上、停電は人命にかかわることだから。自前で発電できるようになれば、大きな安心につながるでしょ。トドック電力は今度、「オンサイト発電」をスタートするんだってね。興味深いなぁ。平常時はマイ風車でつくったでんきを買ってもらい、非常時には自前のでんきを使って事業継続できるとなれば、発電でお金が生み出せるし、同時に安心も手に入る。関心を持つ企業はこれからどんどん増えていくんじゃないかな。

オンサイト事業のことまでふれていただきありがとうございます!マイ風車のチャレンジは素晴らしいですね。さてチャレンジといえば、ここ「岬の駅」が昨年6月にオープンした際には、25年ぶりに納沙布地区に新しいお店ができたと話題になりました。どういった経緯でお店を開くことになったのでしょうか。

この建物自体は37年前にできたもので、ずっと倉庫として使われてきたんだけど、所有者が亡くなって解体が決まったんです。ここは納沙布岬の目の前でしょ。ここがなくなれば、岬はますます寂しくなっちゃいます。サンマもサケも不漁続きで、根室のまちは元気がない。だったらうちで建物を買い取って店を出すことで、少しでも観光の役に立てたらって。オレは63歳で漁師を引退したけど、元気なうちにたくさんの人に自分の経験したことを伝えられたらと思ってね。オレ、拿捕されたことがあるんだよ。22歳のときに。当時は兄貴の船に乗って機関士をしていてね。ソ連の船に捕まって色丹島に送られ、雪投げの仕事をやったな。食事は毎回、まずいパンと角砂糖が1個だけ。2カ月で8キロやせたんだ。たまたまソ連の外相が来日するときに恩赦が出て帰れたからよかったものの、ツラかったね。ほら、当時の新聞がここにある。結婚する前だったけどさ、かあちゃん(妻・かづ子さん)が切り取って残していたんだ。この店に来るのは8割が道外のお客さんさ。ほとんどの人にとって北方領土の問題は関係ない話かもしれない。でも、自分が拿捕された話をすれば耳を傾けてくれるだろ。それで北方領土の問題を少しでも身近に感じて、関心を持ってもらえたらいいなと思ってね。政治のことも、エネルギーのことも、身近な問題になれば、考えるきっかけになるからさ。
★「岬の駅」は、4月末~10月まで営業しています。根室のおいしい海の幸を味わうとともに、生きた歴史にふれ、その思いを感じ取ってください。

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