林さんが、でんきに関心を持つようになったのはなぜでしょうか?
とにかく安全な食を子どもたちに食べさせたいという思いが出発点です。添加物や農薬、食品偽装などの問題に対して何かできることはないかと考え、コープさっぽろの組合員活動に携わるようになりました
08年の北海道洞爺湖サミットをきっかけに環境問題にも興味を持ちました。倶知安店の店頭でレジ袋削減を呼びかけたこともあります。当時はレジ袋をもらうのがあたりまえだったのに、10年で世の中のあたりまえが変わった。本当に感慨深いものがあります。その後、環境について学ぶ中ででんきのことも考えるようになりました。東日本大震災以降は組合員から原発に頼らない世の中を求める声が多く聞かれるようになり、識者を招いてでんきの学習会を実施したり、木質バイオマスについて学ぶため下川町へ見学ツアーに行きました。数年前に2年連続で電気料金が値上がりしたことがありましたよね。その際には消費者代表の立場で消費者庁や経産省の意見交換会に参加し、考えを述べさせていただきました。
コープのでんきに切り替えた経緯を教えてください。
消費者が自分ででんきを選べないのはおかしい。以前からそう思っていましたが、16年に電力小売全面自由化となり、コープさっぽろも電力事業を開始したのを受けて、灯油とセットでコープのでんきに切り替えました。これからのことを考えたときに環境によいでんきを選びたかったので、再生可能エネルギーを使ったFIT電気メニューにしました。切り替えるときに一時的にでんきが停まるのかなと心配でしたが、そうしたことはなく、いつ切り替えが終わったのかも気がつかなかったぐらいです。うちは宅配トドックも利用していますが、宅配で使った分も、でんきや灯油の利用料も、一括で引き落としが完了するので、支払のわずらわしさはありません。
毎日使うでんきを選ぶことは、エネルギーのみらいのためのアクションです
─トドック電力の「FIT電気メニュー」を使い始めて2年がたつわけですが、いま改めていかがでしょうか?
やっぱり原発に頼らない社会がいい。再生可能エネルギー100%のFIT電気メニューを使うことは、その意思表示になると思うんです。自然に恵まれた北海道は再生可能エネルギーの適地ですが、多くの人が使わない限り、再エネは広まっていきません。でんき料金の仕組みを理解したり、エネルギーのあり方について考えることは、たしかに難しいし、距離を置きたくなる気持ちも分かりますが、私たち消費者が関心を持ち続けることが、世の中を変えていくために必要だと思います。
当生協がFIT電気を調達する費用の一部は、「コープのでんき」のご利用者以外の方も含め、電気をご利用のすべてのみなさまから集めた賦課金により賄われており、この電気のCO₂排出量については、火力発電なども含めた全国平均のCO₂排出量を持った電気として扱われます。
これは、調理実習を通して子どもたちが食で独り立ちできることをめざす食育活動。林さんはこの事業の事務局長として施設への聞き取りや教室の運営を担当しています。「児童養護施設の子どもたちは親がごはんをつくる場面を見たり、一緒に買物に行く経験がほとんどないまま大人になります。こうした料理教室を続けることで、子どもたちの自立を支援できればと考えています」。
※写真はトドックフードキャラバンの一コマ。卒園生対象のプログラムでは、栄養バランスのとれた食事づくりを学びました